【タイトル未定のブログ】

ものぐさな人のある日の出来事だったり。

 ここの人、走る。 再び。

 
 何度か記事にしたとおり去る二月九日、愛媛マラソンに参加してきました。
 開催一週間前、いえ、二日前になっても今ひとつ「(端数切り上げ)43キロ走る」という実感が湧きませんでした。
 そんな感じで前日、まさかの大雪。 JRで松山市に入る予定だったんですが、高速道路はおろか、空も本四連絡橋通行不能状態。 駅に運行情報を確認しようにも常時通話中。
 一応時刻表を目安にして駅に到着。 もちろん時刻表通りに運行しているわけもなく遅れが出ています。 上りにいたっては変則編成なのか、特急なのにまさかの「二両」編成なのも見かけました。
 下りの方は編成自体に大きな変更はなく、若干乗車率が高いぐらい。 それでも車窓から眺める景色はこの辺りにしては珍しいぐらいの雪景色。 主要道路以外は「多分あの辺りが道路なんだろな」と分かる程度。
 それでも松山市が近づくにつれて積雪は「記憶違いだったんじゃ?」と思いたくなるほど残ってません。 遠くの山が白くなってるぐらい。 松山駅を出ても歩道の片隅に水たまりが少し残ってるのと、今の時期にしては少し冷たい風が吹いているだけ。 あ、あとは灰色がかった雲が空を覆ってましたね。
 
 天気予報では明日の天気は曇り時々晴れとか。
 正直期待してませんでしたけど、当日起床してカーテンを開けてみてビックリ。 見事までの晴れ! 雲なんか向こうの方にしか見当たらない。 この日は晴れの特異日か。 って二年前は空一面の曇りでしたっけ。
 
 朝食も済ませいざ、フルマラソンへの装備開始。 今年はテーピング(伸縮する方)も使用してみます。 一週間前ぐらいからですけど、日常生活でもテーピングを使ってみることにしまして。 劇的な効果こそ感じませんでしたけど悪い感じも無し。 悪くなくて且つ動きを阻害しない、加えてサポート効果も期待できるんじゃ? なら使ってみるか、程度の認識でしたけどね。 テーピングを巻いてて思ったのは、「これ、一人でやるには限界があるな」でした。 特に背面側なんか張れたもんじゃないや(ノ∀`)
 
 そんなこんなで会場到着。
 今回のゲストランナーは間寛平さんに石原良純さん(石原さんは知事の後輩なんですってねー)。 石原さんは言いましたよ。
 
「晴れましたね! 僕のお陰です!」
 
 よーし、そんなら来年以降も来てもらおうかー!
 他にも色んな人が色んな事を言ってましたけど、このセリフがあまりにもインパクトありすぎて覚えてません(それぐらい自信満々、イイ顔で言い切ったんですよ
 さて、ストレッチとかをしていたものの、早いうちからスタートブロックに入ってしまったせいで、ほぐした体が少し冷えてきましたが、それらの判断を含めた上でマラソンに挑むんです。 早いうちから並ばせてとか、話がちょっと長いとかは関係ゴザイマセン。
 
 そしていよいよスタート。 昨年は8分遅れでしたけど、今年は5分遅れ。 まーウチらのブロック(イっチバン遅いよ組)では大して関係ないですけどね。
 先月半ばに歩くのがやっとなぐらいに腰を、それ前後にも膝を痛めたりして、今年に入ってまともに走り込めなかったんですが思ってたほど調子は下がってないな。 少ない走り込みの中、9km/hのペースで走ってることが分かってたので、これを少し下げて走ることに。
 近ごろのツールには理想とするペースを「ピッピッ……」と音で刻み続ける物があり、それを身につけている人も当然いるわけでして。 僕の周りにも数人からその音が聞こえてきてました。
 幸いなことです、これを使わない手はないでしょう。 また、その音と離れてしまっても周りは似たようなペースの人が必ずいるし。
 とか考えていたら目の前の二人から、「今はまだこの(ゆっくりとした)ペースで」、「この先の上り坂に備えて体力を温存しておこう」な会話が聞こえてきました。 オーケー、オーケー。 その作戦に便乗させてもらいましょう。 名付けてコバンザメ作戦。
 実際ちょっと遅いかな、というペースだったんですよね。
 結局、この二人とは途中の給水ポイントで離れてしまいましたけど。
 
 そして、いよいよ見えてきました、1kmの間に40m弱も登ってしまう坂が。 ここで体力を削られるんですよね。
 それでも歩みを止めずクリア。 このまま第一折り返し点まで調子よく行きたかったんですがやはり足と、なぜか左肩に痛みが発生。 この左肩の痛みに最後まで苦しめられるとは。
 第一折り返し地点。 去年はこの辺りで歩いたり走ったりになってましたが、今年は違う、まだ走れてます。 そして第二折り返し地点へは緩や〜かな上り坂が待っています。 この第二折り返し地点への上り坂、普段な気にも留めないような上り坂がここまで走ってきたランナーにとって恐ろしく厳しく感じます。 一応、折り返してからは給食ポイントがあったりするんですが、そこに行くにはまず登らなきゃならないわけで。
 が、ここも何とか(別のことを考えて気を紛らわせながら)走り抜けました。
 
 と、ここで向こうの方からバスが。
 あれはっ、まさかっ、各関門とかで競技続行が出来なかった人たちを回収するというバスか!? ウソでしょ!? ずっと走ってたのにあのバスが見えてきたなんて!
 しかし、焦ってはいけない。 時間は余裕がある。 20分も無いですけど(ノ∀`) 変に遅くならなければ大丈夫。
 
 そして復路を走り続けていきますが、周りは歩いている人がほとんど。 多分去年の僕もこんな風だったんだ。
 今年は歩く人たちを避けながら走り続けます。 正直な所、早歩きと大差無い速度ですけどね。 もっと言うなら、避けるための体重移動や体を動かしたくもなかったんですけど。
 呼吸はまだ大丈夫。 足裏の痛みが強くなってきた以外はほぼ問題なし。 むしろ左肩がウルトラ痛い。 肩こりの極みかというぐらい。
 30kmを過ぎる頃になると上り坂では息が乱れ、太ももが痛みだしました。 下りになれば次第に治まりましたけど。
 
 それにしても、この国道196号線は難所だわ〜。 緩やかとはいえ、いくつものアップダウンと左右の傾斜が少しずつ体にダメージを与えてきますよ〜。
 
 気がつけば日差しもオレンジ色を含んできた。 時間はまだ間に合う。 ずっと走ってた割には早くないけど。 ペースはほぼ維持できた――ならもっと速いはずだったんですけどね。 それは仕方ないこと。
 残り5kmを切る。 もうそんなに走ったのか。 よくまぁ、言葉通り走り続けたもんだ。 給水・給食点では歩きましたけどそこはお許しを。
 2kmも無い。 去年、あんなに苦しかったのになんで今年も走ることを決めたんだろう。
 1km通過。 恐ろしく長く感じた1kmですよ。
 
 ゴールが見えてきた。 後ろから走ってきた人がラストスパートとばかりに僕を追い抜いていく。 お疲れさま。 僕ももうすぐ着きますよ。
 そしてゴールラインを、通過!
 両拳を突き上げるような仕草で「終わったーっ!」と叫んでる自分に気づきました。
 文字通り「走り続けた」今回。 ゴールラインを越えた時に分かったことがあります。
 今年も走ることを決めたのは、苦しんだ先の達成感がここに有るんじゃないのか、それを知りたかったんじゃないのかな?
 
 少なくとも、今年もあった。 自分の日常では得がたい感覚、興奮、解放、それらがごちゃ混ぜになった果ての感動。
 
 今回はアクシデントもありましたけど、参加した人みんなが、悔いの残らない大会であったことを願います。
 ではでは。
 

完走記録証と完走記念のバスタオル。 タオルの下の線は、コースの標高の移り変わり表しています。