【タイトル未定のブログ】

ものぐさな人のある日の出来事だったり。

 時代に選ばれ残っていく技術

 
 今週アタマの日曜日、岡山県の「備前長船刀剣博物館」に行ってきました。
 夏休み最終日とはいえ、「刀剣」に興味を持つ人なんてそんなに居ないだろうと、軽い気分で現地へ向かったところ、
 

満 車
 
 これは…いったい、どういうコトだ?
 数年前に来たときはこんなに混んでなかったのに、とか考えながら入り口に向かってみると、
 
 あぁ、なるほど……ね。
 女性や子供連れが多いわけだ〜。
 館内ももちろん、
 
人の多いこと。
 
 とはいえ、こんなに人がいたんじゃ、ゆっくりと眺めるなんてとても出来なくて。 加えて「フラッシュ禁止ですが撮影はしても良い」とのことなので、カメラを構えている人の邪魔になるわけにもいかない。
 足早に、あまり広くない館内をぐるっと回る。
 
本邦初公開、とあった兎の耳を摸した兜。
誰もが聞いた事があるでしょう、村 正。
矢筒なんだけど、矢羽を痛めないような形をしてる。
おそらく、見た目的に人気があったと思われる直刃、双刃刀。
 
 他にも色々とありますよ。 仕込杖とか、鉄扇、軍配団扇、陣羽織などなど。
 ちなみに、展示品全てが架空の武具ではなくて個人所有の物だったり、他の美術館からやってきてたりしてる物もあります。 上に挙げてる写真のうち一番下の双刃刀以外がそうですね。
 
 それにしても人が多い。 というか、カメラを構えている人の邪魔になってないかと考えてしまってゆっくり眺めることが出来やしない。 仕方ないかぁ。
 博物館を出て、鍛刀場を覗いたり(一人の方が作業をしていました)、各仕上げ場を覗けるのもここの魅力です。
 まー、時間が時間だったせいか塗師の人と、鍔工、研師の人が作業(兼、来館者の質問に答えたり)してるだけでした。
 そう、毎日鍛錬してはいません。 いつやっているかはHPを見てみれば分かるので――いつか見に行かねば。
 
 展示されている中に架空の武具として「十文字槍」があったんです。
 解説文によると、その制作方法は失われて久しく、作刀に関してはいくつもの制作方法が研究されたとか。
 美術品としての「刀」は作られても、この時代に「武器としての刀」を作る理由なんて無いもんね。
 伝統技術の喪失は寂しいけど、時代に必要の無いものは消えるが定め 、か。
 例え(技術が)蘇ったとしても、本来の目的から逸れた技術は伝統の復活と言えるのかな。
 
 架空の武具と、実際に時代を生き抜いた武具。
 それらを眺めながらそんな事を思ってました。
 
 ではでは。